応用数学系 †
問題&答え †
デルタ関数 (δ関数) †
以下の条件を満たす関数について考える。
- |x|≦ε/2のとき、dε(x) = 1/ε
- |x|<ε/2のとき、dε(x) = 0
この関数は偶関数であり、εの値によらず面積は常に1である (積分によって簡単に確かめられる)。
上記の関数について、ε→0とした極限はデルタ関数(δ関数)と呼ばれる。
このデルタ関数は、全区間で定義された連続な関数f(x)について以下の式が成り立つ。
- ∫[-∞, ∞]δ(t)f(t)dt = f(0)
ラプラス変換対応表 †
| f(t) (ラプラス変換前) | F(s) (ラプラス変換後) |
1. | t(n-1) | (n-1)! / s^n |
2. | e^(at) | 1/(s-a) |
3. | cos(at) | s/(s^2 + a^2) |
4. | sin(at) | a/(s^2 + a^2) |
微分積分学 †
問題と答え †
- 関数y=log|sinx|を微分せよ。
- 対数微分の公式より、
y'=(sinx)'/sinx
=cotx
- 関数y=log{|(x-1)/(x+1)|/2}を微分せよ。
- y=(log|x-1|-log|x+1|)/2と表し、対数微分の公式から、
y'={1/(x-1)-1/(x+1)}/2
=1/(x^2 - 1)
- 関数y=a^xを微分せよ。
- 対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xloga
両辺をxに関して微分し整理すると、
y'=yloga
=(a^x)loga
- 関数y=x^xを微分せよ。
- 対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xlogx
両辺をxに関して微分し整理すると、
y'=y(logx + 1)
=(x^x)(logx + 1)
テイラーの定理とマクローリンの定理 †
- 関数f(x)は、閉区間[a, b]で(n-1)階導関数が連続で、開区間[a, b]でn回微分可能であるとき、
f(a+h)= f(a) + f'(a)h + {f''(a)/2!}h^2 + …… + {f(n-1)(a)/(n-1)!}h^(n-1) + {f(n)(a+θh)/n!}h^n (h=b-a)
を満たすθ(0<θ<1)が存在する。 (テイラーの定理)
- この式において、a=0、h=xとおくと以下の式が得られ、この形の公式はマクローリンの定理とも呼ばれる。
- f(x) = f(0) + f'(0)x + {f''(0)/2!}x^2 + …… + {f(n-1)(0)/(n-1)!}x^(n-1) + {f(n)(θx)/n!}x^n
- テイラーの定理及びマクローリンの定理の式に現れる末項を誤差項という。
応用 †
- f(x)=e^x
- k次導関数はf(k)(x)=e^x
f(0)=1、f(n)(0)=1であるから、マクローリンの定理により、以下の式を満たすθが存在する。
f(x)=1 + x + (x^2)/2! + {x^(n-1)/(n-1!)} + …… + {e^(θx)/n!}x^n
- f(x)=sinx
- k次導関数はf(k)(x)=sin(x + kπ/2)
マクローリンの定理より、以下の式を満たすθが存在する。
f(x)=x - (x~3)3! + …… + {(-1)^(n-1)/(2n-1)!}x^(2n-1) + (-1)^(n){x^(2n)/2n!}sinθx