#author("2020-08-07T06:08:00+00:00","","")
#author("2020-08-07T06:08:59+00:00","","")
*応用数学系 [#e3f5ea3d]

#contents
-[[back>ikeue2019/study]]

**問題&答え [#qce11870]
+斉次微分方程式y’’ + 2y’ - 3y = 0の一般解を求めよ。
--特性方程式r^2 + 2r - 3 = 0を解くと、r = -3, 1~
よって、この斉次微分方程式の一般解は、~
y = ''C1e^(-3x) + C2e^x''
#br
+非斉次微分方程式y'' - 4y' + 4y = xの一般解を求めよ。
--初めに、斉次方程式の一般解を求める。~
特性方程式を解くとr=2(重解)であるから、~
y=e^(2x)(C1 + C2x)
--次に、特殊解を求める。特殊解をy=Ax + Bとおいて代入すると、~
4Ax + 4(B - A) = x~
この式を満たすA及びBの値を求めると、A=B=1/4であり、~
特殊解はy=x/4 + 1/4
--従って、非斉次微分方程式の一般解は、~
y = ''x/4 + 1/4 + e^(2x)(C1 + C2x)''
#br
+非斉次微分方程式y'' + 4y' - 5y = 6xの一般解を求めよ。
--初めに、斉次方程式の一般解を求める。~
特性方程式を解くとr=-5, 1であるから、~
y=C1e^(-5x) + C2e^x
--次に、特殊解を求める。特殊解をy=Ax + Bとおいて代入すると、~
5Ax + (4A - 5B) = 6x~
この式を満たすA及びBの値を求めると、(A, B)=(-6\5, -24/25)
--従って、非斉次微分方程式の一般解は、~
y = ''-6x/5 - 24/25 + C1e^(-5x) + C2e^x''
#br

**2階線形斉次微分方程式 [#r874c33e]
-2階線形斉次微分方程式 y’’ + ay’ + by = 0は、~
r^2 + ar + b = 0~
という特性方程式を解くことによって、微分方程式の一般解を求めることができる。一般解は、特性方程式の解の形に応じて、以下の3パターンのいずれかに当てはまる。
| | 一般解 | 条件 |
| パターン1 | y=C1e^(px) + C2e^(qx) | rの解がr=p, qという実数解であるとき |
| パターン2 | y=e^(he) (C1sinkx + C2coskx) | rの解がr=h±kiという虚数解であるとき |
| パターン3 | y=e^(px) (C1 + C2x) | rの解がr=pの重解であるとき |
#br

**2階線形非斉次微分方程式 [#h9bcb062]
-前述のような微分方程式について、「右辺が0ではない」ものは''非斉次''微分方程式と呼ばれる。
-非斉次微分方程式の一般解は、''(特殊解)+(斉次方程式の一般解)''である。
#br
**フーリエ級数展開 [#e055248b]
-周期が2πの関数f(x)について、以下のように形式的に表したものを、~
f(x)の''フーリエ級数展開''という。
--f(x)=a(0)/2 + Σ[n=1, ∞] [a(n)cosnx + b(n)sinnx]
-上記の中に出てくるa(n)及びb(n)はフーリエ係数といい、それぞれ以下の式によって定義される。
|a(n)|(1/π)∫[-π, π]|
|b(n)|(1/π)∫[-π, π]|
|a(n)|(1/π)∫[-π, π]f(x)cosnxdx|
|b(n)|(1/π)∫[-π, π]f(x)sinnxdx|
#br
**デルタ関数 (δ関数) [#w054cd82]
以下の条件を満たす関数について考える。
-|x|≦ε/2のとき、dε(x) = 1/ε
-|x|<ε/2のとき、dε(x) = 0~
この関数は偶関数であり、εの値によらず面積は常に1である (積分によって簡単に確かめられる)。

上記の関数について、ε→0とした極限は''デルタ関数(δ関数)''と呼ばれる。~
このデルタ関数は、全区間で定義された連続な関数f(x)について以下の式が成り立つ。
-∫[-∞, ∞]δ(t)f(t)dt = f(0)
#br
**ラプラス変換対応表 [#u7a2c711]
| |f(t) (ラプラス変換前)| F(s) (ラプラス変換後)|
|1.|t(n-1) |(n-1)! / s^n|
|2.|e^(at) |1/(s-a)|
|3.|cos(at) |s/(s^2 + a^2)|
|4.|sin(at) |a/(s^2 + a^2)|
|5.|cosh(at)|s/(s^2 - a^2)|
|6.|sinh(at)|a/(s^2 - a^2)|
#br

*微分積分学[#tdc2c957]
**問題と答え [#a7451ee2]
+関数y=log|sinx|を微分せよ。
--対数微分の公式より、~
y'=(sinx)'/sinx~
=''cotx''
#br
+関数y=log{|(x-1)/(x+1)|/2}を微分せよ。
--y=(log|x-1|-log|x+1|)/2と表し、対数微分の公式から、~
y'={1/(x-1)-1/(x+1)}/2~
=''1/(x^2 - 1)''
#br
+関数y=a^xを微分せよ。
--対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xloga~
両辺をxに関して微分し整理すると、~
y'=yloga~
=''(a^x)loga''
#br
+関数y=x^xを微分せよ。
--対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xlogx~
両辺をxに関して微分し整理すると、~
y'=y(logx + 1)~
=''(x^x)(logx + 1)''
#br
**テイラーの定理とマクローリンの定理 [#h7bf21cd]
-関数f(x)は、閉区間[a, b]で(n-1)階導関数が連続で、開区間[a, b]でn回微分可能であるとき、~
f(a+h)= f(a) + f'(a)h + {f''(a)/2!}h^2 + …… + {f(n-1)(a)/(n-1)!}h^(n-1) + {f(n)(a+θh)/n!}h^n (h=b-a)~
を満たすθ(0<θ<1)が存在する。 (''テイラーの定理'')
-この式において、a=0、h=xとおくと以下の式が得られ、この形の公式は''マクローリンの定理''とも呼ばれる。
--f(x) = f(0) + f'(0)x + {f''(0)/2!}x^2 + …… + {f(n-1)(0)/(n-1)!}x^(n-1) + {f(n)(θx)/n!}x^n
-テイラーの定理及びマクローリンの定理の式に現れる末項を''誤差項''という。
#br
***応用[#dcfe8639]
+f(x)=e^x
--k次導関数はf(k)(x)=e^x~
f(0)=1、f(n)(0)=1であるから、マクローリンの定理により、以下の式を満たすθが存在する。~
f(x)=1 + x + (x^2)/2! + ...... + {x^(n-1)/(n-1!)}  + {e^(θx)/n!}x^n
+f(x)=sinx
--k次導関数はf(k)(x)=sin(x + kπ/2)~
マクローリンの定理より、以下の式を満たすθが存在する。~
f(x)=x - (x~3)3! + …… + {(-1)^(n-1)/(2n-1)!}x^(2n-1) + (-1)^(n){x^(2n)/2n!}sinθx

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