応用数学系

問題&答え

  1. 斉次微分方程式y’’ + 2y’ - 3y = 0の一般解を求めよ。
    • 特性方程式r^2 + 2r - 3 = 0を解くと、r = -3, 1
      よって、この斉次微分方程式の一般解は、
      y = C1e^(-3x) + C2e^x
       
  2. 非斉次微分方程式y'' - 4y' + 4y = xの一般解を求めよ。
    • 初めに、斉次方程式の一般解を求める。
      特性方程式を解くとr=2(重解)であるから、
      y=e^(2x)(C1 + C2x)
    • 次に、特殊解を求める。特殊解をy=Ax + Bとおいて代入すると、
      4Ax + 4(B - A) = x
      この式を満たすA及びBの値を求めると、A=B=1/4であり、
      特殊解はy=x/4 + 1/4
    • 従って、非斉次微分方程式の一般解は、
      y = x/4 + 1/4 + e^(2x)(C1 + C2x)
       
  3. 非斉次微分方程式y'' + 4y' - 5y = 6xの一般解を求めよ。
    • 初めに、斉次方程式の一般解を求める。
      特性方程式を解くとr=-5, 1であるから、
      y=C1e^(-5x) + C2e^x
    • 次に、特殊解を求める。特殊解をy=Ax + Bとおいて代入すると、
      5Ax + (4A - 5B) = 6x
      この式を満たすA及びBの値を求めると、(A, B)=(-6\5, -24/25)
    • 従って、非斉次微分方程式の一般解は、
      y = -6x/5 - 24/25 + C1e^(-5x) + C2e^x
       

2階線形斉次微分方程式

  • 2階線形斉次微分方程式 y’’ + ay’ + by = 0は、
    r^2 + ar + b = 0
    という特性方程式を解くことによって、微分方程式の一般解を求めることができる。一般解は、特性方程式の解の形に応じて、以下の3パターンのいずれかに当てはまる。
    一般解条件
    パターン1y=C1e^(px) + C2e^(qx)rの解がr=p, qという実数解であるとき
    パターン2y=e^(he) (C1sinkx + C2coskx)rの解がr=h±kiという虚数解であるとき
    パターン3y=e^(px) (C1 + C2x)rの解がr=pの重解であるとき
     

2階線形非斉次微分方程式

  • 前述のような微分方程式について、「右辺が0ではない」ものは非斉次微分方程式と呼ばれる。
  • 非斉次微分方程式の一般解は、(特殊解)+(斉次方程式の一般解)である。
     

フーリエ級数展開

  • 周期が2πの関数f(x)について、以下のように形式的に表したものを、
    f(x)のフーリエ級数展開という。
    • f(x)=a(0)/2 + Σ[n=1, ∞] [a(n)cosnx + b(n)sinnx]
  • 上記の中に出てくるa(n)及びb(n)はフーリエ係数といい、それぞれ以下の式によって定義される。
    a(n)(1/π)∫[-π, π]f(x)cosnxdx
    b(n)(1/π)∫[-π, π]f(x)sinnxdx
     

デルタ関数 (δ関数)

以下の条件を満たす関数について考える。

  • |x|≦ε/2のとき、dε(x) = 1/ε
  • |x|<ε/2のとき、dε(x) = 0
    この関数は偶関数であり、εの値によらず面積は常に1である (積分によって簡単に確かめられる)。

上記の関数について、ε→0とした極限はデルタ関数(δ関数)と呼ばれる。
このデルタ関数は、全区間で定義された連続な関数f(x)について以下の式が成り立つ。

  • ∫[-∞, ∞]δ(t)f(t)dt = f(0)
     

ラプラス変換対応表

f(t) (ラプラス変換前)F(s) (ラプラス変換後)
1.t(n-1)(n-1)! / s^n
2.e^(at)1/(s-a)
3.cos(at)s/(s^2 + a^2)
4.sin(at)a/(s^2 + a^2)
5.cosh(at)s/(s^2 - a^2)
6.sinh(at)a/(s^2 - a^2)
 

微分積分学

問題と答え

  1. 関数y=log|sinx|を微分せよ。
    • 対数微分の公式より、
      y'=(sinx)'/sinx
      =cotx
       
  2. 関数y=log{|(x-1)/(x+1)|/2}を微分せよ。
    • y=(log|x-1|-log|x+1|)/2と表し、対数微分の公式から、
      y'={1/(x-1)-1/(x+1)}/2
      =1/(x^2 - 1)
       
  3. 関数y=a^xを微分せよ。
    • 対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xloga
      両辺をxに関して微分し整理すると、
      y'=yloga
      =(a^x)loga
       
  4. 関数y=x^xを微分せよ。
    • 対数微分法により、両辺の対数をとって、logy=xlogx
      両辺をxに関して微分し整理すると、
      y'=y(logx + 1)
      =(x^x)(logx + 1)
       

テイラーの定理とマクローリンの定理

  • 関数f(x)は、閉区間[a, b]で(n-1)階導関数が連続で、開区間[a, b]でn回微分可能であるとき、
    f(a+h)= f(a) + f'(a)h + {f''(a)/2!}h^2 + …… + {f(n-1)(a)/(n-1)!}h^(n-1) + {f(n)(a+θh)/n!}h^n (h=b-a)
    を満たすθ(0<θ<1)が存在する。 (テイラーの定理)
  • この式において、a=0、h=xとおくと以下の式が得られ、この形の公式はマクローリンの定理とも呼ばれる。
    • f(x) = f(0) + f'(0)x + {f''(0)/2!}x^2 + …… + {f(n-1)(0)/(n-1)!}x^(n-1) + {f(n)(θx)/n!}x^n
  • テイラーの定理及びマクローリンの定理の式に現れる末項を誤差項という。
     

応用

  1. f(x)=e^x
    • k次導関数はf(k)(x)=e^x
      f(0)=1、f(n)(0)=1であるから、マクローリンの定理により、以下の式を満たすθが存在する。
      f(x)=1 + x + (x^2)/2! + ...... + {x^(n-1)/(n-1!)} + {e^(θx)/n!}x^n
  2. f(x)=sinx
    • k次導関数はf(k)(x)=sin(x + kπ/2)
      マクローリンの定理より、以下の式を満たすθが存在する。
      f(x)=x - (x~3)3! + …… + {(-1)^(n-1)/(2n-1)!}x^(2n-1) + (-1)^(n){x^(2n)/2n!}sinθx

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Last-modified: 2020-08-07 (金) 15:08:59